シェイクスピア「ヘンリーⅥ世」

ひとたび黄金が目的となれば、肉親の情もたちまち変じて骨肉相食む反抗の牙となる! こういう目に遭うためなのだ、愚かな子煩悩な父親が気苦労に眠りを忘れ、心労に心を砕き、日々の労働に骨身をけずるのも。こういう目に遭うためなのだ、父親が闇雲に、時には不正な手段を使ってまで、不浄な金をかき集め山と積むのも。こういう目に遭うためなのだ、息子に文武両道の様々な技芸を身につけさせようと苦労するのも。丁度ある働き蜂のようなものだ、花から花へ飛び回り、甘い蜜を集め、脚には蜜蝋をつけ、口には密を含んで巣に戻ればその骨折りの報いは殺されることでしかないのだ。
苦労してかき集めた財産が、死の床にある父親に働き蜂と々苦い思いをなめさせることになる。

-[1564-1616] 英国の劇作家・詩人 ウィリアム・シェイクスピア「ヘンリーⅥ世」第2部の台詞-

すごいねえ。バイカー修ちゃんはよくいうようにシェイクスピア大好きなんだけど・・彼の物語には、親族の争いっていうのがよく出てくるよね。「ハムレット」しかり、「リア王」しかり。「リア王」を原作に日本の巨匠クロサワが描いた「乱」は見ごたえあったねえ。「リア王」の映画では最高なんじゃないかな?批判する人が多いけど。新生クロサワの映画の中では黒澤明監督のシェイクスピアおたくっぷりが爆発してて大好きです。戯曲の「リア王」は一人でペラペラしゃべるけど、戦国武将がこれではちょっと違うなってところを、ピーター演じる道化が代弁してたりする。また、いつもリアリズム主義で汗臭そうな汚い衣装は、能装束っぽい絢爛豪華(けんらんごうか)な衣装を見るだけで楽しいもんだ。聞くところによると、戦国時代の衣装はわれわれが思っているよりもっと大胆なものだったらしい。「伊達男」って言われるくらいおしゃれだった伊達政宗の陣羽織を見たことあるけど、「水玉模様」でポップだったのには驚いたねえ。時代劇にでてくる衣装ってのは最近でこそデザインにチカラが入っているけど、ほとんど予算の関係で通り一遍のものが多いでしょ?時代劇ってのはSFと同じでコスプレだからおカネがかかるとすごいんだ。黒澤監督にはゴーリキー原作の「どん底」ってのもある。これもいいんだ。バイカー修ちゃんは「七人の侍」の次に好きです。これも批判が多いけど。バイカー修ちゃんは「どん底」の主人公は名優左卜全だと思ってます。つまり、人間ドラマってもうとっくの昔に完成されていて、問題提起のネタはつきてるけど解決策はいまだ提示てれていないったカンジなんだよねえ。

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