オーソン・ウェルズ

ボルジア家30年の圧政はミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチのルネサンスを生んだ。スイス500年の平和は何を生んだか? 鳩時計だけだ。
-[1915-1985] 米国の俳優・監督・脚本家 オーソン・ウェルズ扮する「第三の男」ハリー・ライムの台詞-

バイカー修ちゃんの好きな映画にこの「第三の男」がある。オーソン・ウェルズ主演の映画としては「市民ケーン」もあるがいかんせん長い。正直見るのがつらい。この第三の男は何度見てもおもしろい。バイカー修ちゃんは高校生のときこの映画を見てオーストリア・ウイーンに憧れ、ハプスブルグ家の栄光と挫折。ヒトラーの出身国であり、ナチスに翻弄(ほんろう)され戦火で徹底的に破壊された歴史を知った。この映画の背景を知るとますますその思いは深くなる。苦労したのは日本だけではなかったのだ。ヨーロッパの人々は沖縄の人のように空爆、戦車、歩兵による殲滅戦を経験している。アメリカ人のようにアッケラカンとはなれないのもうなづける。このシーンは有名な観覧車の中でオーソン・ウェルズ扮する主人公ハリー・ライムが口にする台詞だ。何度も繰り返して聞いてみた。意味深いねえ。これを今の日本に置き換えて見るといい。日本にも古来からの文化がある。茶の湯も安土の暴君の圧政時代に生まれたものだし、それ以外の「日本的なもの」そのものが圧政の中から生まれてきたのではないだろうか?身分制度を批判するのは簡単だ。でもね、もともと貧しく国民全部が少ない扶持(ふち)を分け与えるには厳しい統治が必要だったのだ。その視点が欠けていると思うぞ。戦後の平和ニッポンが何を生んだのか?トランジスタラジオとゲーム機とアニメか?鳩時計といっこうに変わらない気もする。映画のハリー・ライムは怪しげなペニシリンを闇で売って人々の健康を奪った。現代のハリー・ライムは耐震で怪しいマンションなんかを売って黒い涙を流す。しかし・・・、何かが本質的に違うような気がする。

月別 アーカイブ