マキシム・ゴーリキー

人間は誰でも皆、灰色の魂を持っている。だから、一寸紅をさしたがるのさ。
-[1868-1936] の小説家・戯曲家・随筆家 マキシム・ゴーリキー「どん底」より-

英国人の女性がストーカー男から殺害されるといういたましい事件がおきていますねえ。「興味」もタガがはずれると悲惨だ。バイカー修ちゃんがアメリカにいるときイタリアの留学生の女性がとても親切に接してくれた。いつも側にいて、言葉で悩む僕をフォローしてくれた。彼女は英語が堪能だった。彼女はいつも「日本に神秘を感じる」とか「日本人はエキゾチックだ」とか言っていた。彼女が初めて接する日本人が僕だったんだ。この程度なら親切ですむんだけど。度を越すと犯罪だ。バイカー修ちゃんがイタリア贔屓(ひいき)になったのはこの辺が原因だ。僕から見たらアメリカ人も留学生もみんな「美しく」花があるように見えた。灰色なのは自分だけ・・と思っていたんだ。でも彼女のおかげでそのコンプレックスから解放された。彼女も同じことを言ったのだ。この「どん底」さすがにゴーリキーの原作を読んだ人はいないだろうな。バイカー修ちゃんもソルジェニーツィンは読んだけど「どん底」は黒澤明の映画しか見ていない。でもこの映画、海外でも原作にもっとも忠実な映画だっていわれているからそれを信じるとすばらしい。バイカー修ちゃんは黒澤映画でも定番の「七人の侍」も当然大好きなんだけど、それを除くとこの「どん底」と「赤ひげ」が好きなんだ。「どん底」の主役は稀代の名優(と信じてる)左 ト全だと思っている。完全に三船敏郎を食っている。あんなに貧乏なのにこの映画を見てごらん。理屈っぽいところも貧乏賛美もなにもないけど、日本人が忘れた活力と活き活きさを感じる。こんな映画は二度とできないと断言できる。今、ベトナムやイランの映画が話題だけど、国には発展しているときでないとできない「何か」があると思っている。猟奇的なことがよくおきるのはピークを過ぎた国の特徴だ。英国もドイツもアメリカも・・そして日本も。

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