森鴎外

武士はいざという時には飽食はしない。しかしまた空腹で大切な事に取り掛かることもない。
-[1862-1922] 小説家・軍医 森鴎外「阿部一族」より-

森鴎外は医者だったって言うと驚く人もいるくらいこの人は文人として有名なんだよね。バイカー修ちゃんもゲーテの「ファウスト」が好きで、日本で始めて翻訳をした森鴎外バージョンの「ファウスト」も持っているけど・・あまり感心しない。高橋義孝訳が大好きだ。って話はここではしないけど。でもこの阿部一族を読んだときは驚いた。これって「殉死」がまきおこす騒動なんだ。舞台は熊本、細川の殿様が亡くなられたので「殉死」する家臣があいついだが、阿部弥五右衛門はそれを許されず、周りから「命惜しさに生き延びている」などといわれ家族の見守る中で切腹する。(これもすごい話だな。)ところがこれを藩主からとがめられ阿部一族は崩壊していくんだ。これが武家の「常識」であった時代ならこのような時代を現代の常識で見ちゃいけないな、と思ったね。「死ぬ権利」が認められない。という「恥」もあったなんて・・。現代人には理解できない・・、が歴史は繰り返す。イランやイラクをみるといい。かの国は一時、欧米の策謀でイスラムの伝統は崩壊しつつある・・ように見えたが、イスラム原理主義にたち帰っているではないですか。戦後、サムライ文化はいかん!とGHQは秀吉以来の「刀狩り」や「鉄砲狩り」をしたんだ。日本も戦前は欧米の普通の国のように、刀や拳銃があったんだね。そのアメリカが今、サムライを賛美している。まあ時代は一区切りしたんだろう。

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