お市の方

さらぬだに 打ちぬる程も夏の夜の 夢路を誘ふ郭公(ほととぎす)かな
-[1547-1583] 織田信長の妹 お市の方 北ノ庄城にて柴田勝家との自刃の際の辞世の和歌-

戦国の悲劇の姫、そして戦国で一二を争う美しい姫として、細川ガラシャ(明智玉)と並んで涙をさそう、お市さまの辞世の句です。兄信長の政略のために、近江(現在の滋賀県)の浅井長政に嫁ぎ、長政が信長を裏切って滅びたために、お市さまは息子の万福丸を信長に殺される。実の兄にだよ!そしてまた柴田勝家に嫁ぐがこれまた、秀吉と戦うはめになり越前北ノ庄城で夫婦で自害するっていうこれ以上ない悲劇だね。そしてその娘(長政との子)茶々(ちゃちゃ)はお市さまがもっとも嫌った秀吉の側室、淀どのとなって滅び行く豊臣家の最後の姫となっていき、末娘の江(こう)はなんと!江戸幕府第二代将軍徳川秀忠の正室 崇源院(すうげんいん)となっていく。これってすごい運命の母子二代だね。おまけにこの一族は美しかったらしい。お市の方は、背が高く165cmくらいあったという。当時は男性でも150~160cmくらいが標準だから「見上げるような美女:戦国のスーパーモデル」ってところかな?美女好みの秀吉がメロメロだったそうだから相当な美女だったんでしょう。その娘の茶々を秀吉が側室にしたのも茶々がお市の方によく似ていたからだそうだ。しかし歴史がすごく狭い血筋で流れていくさまは不思議なものを感じるな。覇王(はおう)として恐らく日本の歴史上最大のアナーキストで残忍・冷酷な信長を兄に持った悲劇。政治の道具にされほんろうされながらも美しく生きた人生。でもその信長が最も愛した妹であったことはこの薄幸の美しい姫の誇りでもあったろうな。

月別 アーカイブ