小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)

日暮るれば さそひしものを赤沼の 真菰(まこも)がくれのひとり寝ぞ憂(う)き
-[1850-1904] アイルランドの英文学者 小泉八雲ことラフカディオ・ハーン「おしどり」より-

小泉八雲っていうと「怪談」だね。中学生時代、英語の教科書にのっぺらぼうの話が載ってたんだ。「Mujina:むじな」だね。変わった人だよね。アイルランド人なのに日本に帰化して奥さんまでもらって日本人になったんだ。彼の「怪談」の中にたった4ページの話がある。「おしどり」だ。陸奥の国(今の青森から福島あたりかな)に鷹匠(たかじょう)で暮らしている村允(そんじょう)というものがいた。その日は獲物も獲れず、帰り道に赤沼という沼をとおりかかったらつがいのおしどりがいる。腹も減っていたので仕方なく弓で射てしまった。雄のおしどりを片手に家に帰り食べてしまったその夜、悪夢を見た。美しい女が枕元で泣くのである。泣きながら歌った歌が「今日の一言」だ。「どうしてあなたはあの人を殺してしまったの・・あの人がなにをしたんでしょうか」「あなたには自分のしたことがわかっていない・・明日、赤沼にいらっしゃればわかるでしょう。あなたがしたことが・・」  村允は気になって翌日赤沼に出かけ岸に立って見ると雌のおしどりがいた。そのおしどりは村允めがけて泳いできて、目の前でくちばしで自分自身をつらぬき自害して果てた。その後村允は剃髪(ていはつ)して僧になった。悲しい話だよね。こういうセンチメンタルな話を狩猟民族の八雲ことハーンが理解したっていうのがおもしろい。バイカー修ちゃんは週末、小泉八雲を読みふけっていました。今の日本には「むじな」はいないけど、妖怪や魑魅魍魎(ちみもうりょう)はいっぱいいるぞ。

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