源実朝(みなもとのさねとも)

大海(おほうみ)の磯(いそ)もとゞろによする波 われてくだけてさけて散るかも (割れて砕けて裂けて散るかも)
- [1192-1219] 鎌倉幕府第三代征夷大将軍 源実朝 「金槐(きんかい)和歌集」よりの和歌-

いい歌だねえ。源実朝っていう鎌倉三代将軍は影も薄くて、鶴岡八幡宮から帰るとき暗殺されたってくらいしか知らないんだけど、この歌はいいねえ。
「おほうみの いそもとどろに よするなみ われてくだけてさけてちるかも」
なんて美しい言い回しだって思いませんか?じつは、昨夜ちょっと疲れがでたのか、何もする気になれず読みかけの小林秀雄の「無常といふこと・モオツアルト」を読んでいた。
この短編、「無常というふこと」の中に「実朝」っていうまた短編がある。源実朝なんてマイナーな将軍の評論だ。
それはおいといて、実朝っていうとバイカー修ちゃんが連鎖して思い出すのがこの歌なんだ。
たぶんバイカー修ちゃん思うに、大海(おほうみ)とは、恐怖のスーパーママ、実母の北条政子じゃないかと思うんだね。
たぶん、父親の鎌倉幕府創始者、頼朝はとっくの昔に亡くなって、母親の政子は女将軍だった。
実子とはいえ、実朝に実権はなかったろうと思うんだ。この歌は、実朝が27歳、いわゆる、甥っ子の公暁(くぎょう)から逆恨みされて鶴岡八幡宮の前で暗殺される直前に読んだ歌なんだね。
大海に「割れて砕けて裂けて散る」のは実朝本人だったのではないだろうか?その後実権は、源氏から北条家へと替わっていく。悲劇の将軍だったわけだ。
この実朝のおじさんの義経も悲惨な最後を遂げたことを思うと、源家の親戚内騒動で本家が死んで、嫁さんちの北条家にのっとられたってわけだ。
鎌倉幕府のもろさはこんなところからでてるんだろうなあ。

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