スイス政府発行「民間防衛」

「敗北主義」――それは猫なで声で最も崇高な感情に訴える。

諸民族の間の協力、世界平和への献身、愛のある秩序の確立、相互扶助、戦争、破壊、殺戮の恐怖・・・。

そしてその結論は、時代遅れの軍備防衛は放棄しよう、ということになる。

 新聞は、崇高な人道的感情によって勇気付けられた記事を書き立てる。

 学校は、諸民族の間との友情を重んずべきことを教える。

 教会は、福音書の慈愛を説く。この宣伝は、最も尊ぶべき心の動きをも利用して、最も陰険な意図のために役立たせる。
-1969年スイス政府発行「民間防衛」より引用 P232-

信じられない事件が北朝鮮で起こった。観光客の女性を北朝鮮兵士が射殺するという前代未聞の事件だ。おそらく真相はうやむやになるだろう。
いくらムードで融和といっても危ないものは危ないのだということがよくわかった。
これは、1969年の冷戦まっただ中にスイス政府が各家庭260万戸に発行した、個人レベルの「防衛マニュアル」の一部なんだ。
弱小国家スイスが敵国に攻められた場合(そして攻め込まれそうになりそうな場合も)にどう対応するのか?
最終的には、全家庭が武装しているので国民が兵士となって戦うというんだね。
「永世中立国」ってスゴいねえ。中立を守るっていうのはここまで大変な覚悟とエネルギーが必要なんだね。
国家的戦略としても、この小国は資源もないし、国土も狭いので世界の銀行として、いかなる人たちの財産を守るとして、独裁者、マフィア、いろんな人のおカネを預かることでどこの国からも手が出せないような戦略をとっている。
アタマいいねえ。これもいまはムカシほど自由にはならないようだけど。
独立して生き抜くってのはかように大変なことなのだ。
コレにくらべてわが国はこれとまったく逆の戦略(があるのか?)だね。
アメリカに寄生して毒にも薬にもならない世界の「空気」のような国家ニッポン。
しかしそれもまた生きていく上での戦略でもあるだろう。いちがいに情けないとは言えないだろう。
そのスイスの「民間防衛」の232ページから抜粋して紹介した。
有名なくだりだからネットでよく紹介もされている。こんなことを国民に教える国家もあれば、まったく国民には教えないわが国みたいな国家もある。
すぐ近所にはアブナイ敵がいるのはどっちも同じだぞ。
よい悪いはみんなの判断だと思うぞ。でも、平和は永遠には続かない。
いくら祈っても有事はあるだろう。そのときは自分の身は自分で守らないといけないのだ。
それは覚悟しといたほうがよいとは思うな。

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