トマス・P・M・バーネット

世界は北米、豪州、南アフリカ、インド、ロシア、南米の一部、そして日本といった、大国間の軍事力行使などありえない「機能する中心」(ファンクショニング・コア)と、それ以外の「統合されない隙間」(ノン・インテグレーティング・ギャップ)に引き裂かれている。

その上でアメリカ自身はリバイアサン(怪獣)として、生々しい軍事力の行使によって「統合されない隙間」にルールを順守させる保安官としての責任がある。

それと同時に、「機能する中心」の集団保安体制を維持する管理者・シスアド(システム・アドミニストレーター)の役割を担わねばならない。
-米国の海軍大学教授 トマス・P・M・バーネット 『戦争はなぜ必要か』より-

この本は大変読みごたえがあっておもしろかったね。
まあ、したり顔の書評は、「アマゾン」のコメントでも読んでくれ。
しかしアメリカっていうのはおもしろい国だよね。自分で自分を自虐する本がよく出てくるんだね。
そういう意味で彼らは「自由の国」を演出してるんだろうと思うぞ。
こんな本をペンタゴンの連中が真顔で読んでるからアメリカは世界の空気を読めなくなっちゃうんだね。
今、アメリカは世界一の「超大国」だ・・と言われてる。データ上からはそうだろうな。
アメリカがその気になれば世界中を木っ端微塵にすることだってできる。
しかしアメリカが真の世界一だった時代は、第二次大戦から、戦後10年くらいの間じゃないかって思うんだ。
堕ちた大国イギリス、フランスに替わり台頭した新大陸国家アメリカ。さあ、敵は同じ西側の文化を持ったヒトラー率いるドイツか?絶対に容認できない共産主義を世界中に広げようとたくらむスターリン率いるソビエト連邦(なつかしい名前だねえ)か?
イギリスのチャーチル首相は、直前までソ連と開戦しようと思っていたという。
日本も基本的にソ連と戦う準備をしていた。イタリアのムッソリーニに至っては、開戦直前まで、敵をフランスにするかドイツにするか迷っていたという。
アメリカにはナチスの信望者が多かった。
教科書で習う近代世界史は、いとも簡単に「日独伊の枢軸国と米英ソ仏の連合国が戦いました」って書いてあるけど、もしかしたらドイツ・日本が連合国側についてソ連と開戦する可能性は十分にあったんだ。
チャーチルも回顧録でそう語っている。
さて今日の世界は当時と似ているようで違う。世界はバーネットが言うように二分されているのかもしれないし、人口抑制のためにも戦争は必要なのかもしれない。
しかし、アメリカの勝手な正義感だけでやられちゃこりゃかなわないよなあ。

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