戸塚洋二

宇宙や万物は、何もないところから生成し、そして、いずれは死を迎える。遠い未来の話だが、「自分の命が消滅した後でも世界は何事もなく進んでいく」が、決してそれが永遠に続くことはない。いずれは万物も死に絶えるのだから、恐れることはない。
-[1942-2008] 静岡県出身の物理学者・東京大学特別名誉教授 戸塚洋二 ガンで死去する5ヶ月前の手記-

これは今年7月に亡くなった「ノーベル賞にもっとも近い」と言われた戸塚教授の手記だ。
人間、死を宣告されてから残りの人生を考えて生きるということがいかに大変なことかがよくわかる。
戸塚教授もノーベル賞受賞という夢目前で亡くなったことは無念であったろうな。
ブログを読んでみても、人格的に高潔な方であったことがよくわかる。
人間は極限の状態でその本質がわかるんだね。じつはバイカー修ちゃんは母をガンで亡くしてる。肝硬変をわずらって、長い闘病生活だった。
僕は母にはっきりガンであることを告げた。医者からも、亡くなる前に精神的に不安定になるケースが多いので覚悟してくれと言われた。しかしじつにしっかりした母だった。
取り乱すことはついになく、「痛い」とも言わなかった。「なぜ痛いと言って看護士さんを呼ばないのか?」と聞いたら、「あの人たちも忙しいから、迷惑はかけられないよ」と言った母。
看護士さんから本当に大事にしてもらった。亡くなったときは看護士さんも泣いていた。「あなたの会社の方々の迷惑にならないように葬儀は身内で密葬にしなさい」と死んだ後のことまで人のことを考えていた。
僕にとってもっとも偉大な偉人は母であったと思う。昨日は、日本アイビーエムの天城ホームステッドで講師をした。
僕なんかが人様の前でお話をさせていただくことを天国の母はどう思っているんだろう?
今、伊東から東京までの電車内でこれを書いている。ちょうど熱海に着いたところだ。
なぜか、母がそばにいるような気がした。

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