「七人の侍」三船敏郎演ずる菊千代

はっはっは・・・こいつぁいいや!
やい!お前たち!一体百姓を何だと思ってたんだ?仏様だとでも思ってたか?ん?
笑わせちゃいけねえや!百姓くらい悪ずれした生き物はねえんだぜ!
米出せっちゃ無え!麦出せっちゃ無え!何もかも無えっつんだ!ふん!ところがあるんだ。何だってあるんだ。
床下ひっぺがして掘ってみな!そこになかったら納屋の隅だ!出てくる出てくる・・・瓶に入った米!塩!豆!酒!山と山の間に行ってみろ!そこには隠し田だ!正直ヅラしてペコペコ頭下げて嘘をつく!何でもごまかす!どっかに戦でもありゃあすぐ竹槍つくって落ち武者狩りだ!
よく聞きな!百姓ってのはな、けちんぼで、ずるくて、泣き虫で、意地悪で、間抜けで、人殺しだ!ちきしょう!おかしくって涙が出らあ!
だがな、そんな「けだもの」をつくったの、一体誰だ?  お前たちだよ!侍だってんだよ!馬鹿野郎!
戦の度に村を焼く!田畑踏ん潰す!食い物は取り上げる!人夫人にコキ使う!女は犯す!手向かや殺す!
一体百姓はどうすりゃあいいんだ!百姓はどうすりゃあいいんだ、百姓は・・・
ちきしょう・・・・ちきしょう・・・!

-1954年度東宝映画「七人の侍」三船敏郎演ずる菊千代の言葉-

昨日6日、BSで「七人の侍」が放送されました。
見た人も多いんじゃないかな?バイカー修ちゃんはこの「七人の侍」が大好きで、何回見ても泣けてしまいます。
じつは、はじめてこの「七人」を見たのは、アメリカ版リメイク作品の「荒野の七人」だったんですね。
TVの洋画劇場で。その後その元ネタが「七人の侍」それも世界のクロサワ映画と知りました。
見たくて見たくてたまらなかったけど、ビデオレンタルなんてものがなかった時代です。
しかしついに高校一年の頃と記憶してますが、長崎市の宝塚劇場で大々的に上映されました。
もう感動して朝から晩まで(当時は入れ替えはなかった)食事もせず見ましたね。
ストーリー、アクション、理念、時代考証、ここまできて映画は芸術だと思いましたね。
映画は小説という「原作」がある以上、原作のダイジェスト版でしかありえない。
「風と共に去りぬ」がいくら名画でもミッチェルの原作にくらべればスケールが小さいことは否めない。
しかし、この「七人の侍」には原作がない。この映画のための脚本そのものが原作だ。
ここに原作に縛られないスケールの大きさがある。1954年完成というまだ戦後が色濃く残ったこのビンボーニッポンでよくもまあハリウッドも腰ぬかすスペクタクル映画が撮れたもんだ。こりゃ奇跡だね。
才能と熱意で大傑作ができるという見本みたいなもんだ。
それにくらべりゃ今の日本の映画は小粒だぞ。アニメと半分シロート映画でしか佳作ができない。まあ、そのなかでも宮崎駿さんは別格だろうけど。
バイカー修ちゃんが特に好きな「七人の侍」キャラは、宮口精二演じるストイックな剣豪「久蔵」だ。あの痩せて小柄な宮口精二が本当に剣豪に見える。この頃の日本人はまだサムライや百姓が演じれた。
今のヒョロヒョロ日本人じゃ、サムライや百姓はおろか町人にもなれないと思うぞ。

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