臼淵 磐

痛烈なる必敗論議を傍(かたわ)らに、哨戒長臼淵(うすぶち)大尉(一次室長、ケップガン)、薄暮の洋上に眼鏡を向けしまま低く囁(ささや)く如(ごと)く言う。
「進歩のない者は決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。日本は進歩ということを軽んじ過ぎた。
私的な潔癖や徳義にこだわって、真の進歩を忘れていた。「敗れて目覚める」それ以外にどうして日本が救われるか。
今目覚めずしていつ救われるか。俺達はその先導となるのだ。日本の新生に先駆けて散る。
まさに本望じゃないか。」

-[1923-79] 元戦艦大和副電測士東大法学卒日銀理事 吉田 満著「戦艦大和の最期」P46より特攻攻撃の無意味さに荒れる若手搭乗員に言い聞かせた 哨戒長・臼淵 磐(うすぶちいわお)大尉の言葉-

つい最近、テレビのロードショーで「男たちの大和/YAMATO」があったよね。
みなさん見た人も多いでしょう。バイカー修ちゃんは見なかった。がっかりするのが怖いから。
現代日本人の監督では狂気の戦場シーンなんて無理だと思っているから。
底の浅いナショナリズムか、戦争を賛美するドラマになるのが怖いから。
今、戦争を行っているアメリカだと「硫黄島からの手紙」のような大変シリアスなものができるんだけど。
実際、なんで長嶋一茂さんが臼淵 磐大尉なの?
みんなに知ってもらいたくて、臼淵大尉の肉声が書かれたこの吉田 満著「戦艦大和の最期」を紹介します。
死ぬものには死ぬ意義を明確にする必要があるんです。この言葉にあげあしとらないでね。
安全な時代と場所から戦争反対っていうのは簡単なんです。
この臼淵大尉の言葉は大変重い。
わが日本「敗れて目覚め」ているのか?「真の進歩を忘れて」いるのは今の方がもっとひどいんじゃないか?
あまりにも心に響くこの臼淵大尉の言葉を、戦争賛美だなんて言えません。
しかし、ひとつ言えるのは、過去を真正面から見ることでしか未来は計れないってことですね。
今の日本は過去に「フタをしている」だけだと思うぞ。
まるで違う世界の出来事みたいに思っている。そうじゃないでしょう?
戦争を起こしたのはわれわれなんだ。
民意が低いと言ってしまえばそれまでだけど、その辛い体験の元に戦争を反対しているんでしょう。
ならば戦争を忘れちゃいけないと思うぞ。

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