司馬遼太郎「竜馬がゆく」

「あ、それか」竜馬はひったくるようにして、抜きはなってみた。

刀身は青く澄み、陸奥守吉行特有の丁字乱れの刃文が、豪壮に匂ってくる。

 「二尺二寸」普通、身長五尺二、三寸の武士の差し料に手ごろな寸法である。

「ちょうどいい」竜馬は、振ってみた。

竜馬ほどの大男なら、二尺三、四寸から、ときに二尺六寸の長剣でも十分にこなせるのだが、かれはどういうものか、短い刀を好んだ。好みにぴったりというわけだろう。
-[1923-1996] 司馬遼太郎「竜馬がゆく」より坂本龍馬が手にした「陸奥守吉行」のエピソード-

昨日のコメントに女性でも「竜馬がゆく」を読破した人がいたり(匿名になってたけど・・くまさんかな?)うちの長男が小学生当時から日本刀が好きだったり、人の好き好きにパターンはないんですね。
息子は高校生になった今でも、宝物の「加州(金沢)長兵衛藤原清光」をよく手に持っています。
細身で長く沖田総司の愛刀で有名ですな。
そこでカタナにまつわるエピソードを紹介しましょうか。
まずは龍馬。彼の愛刀といえば、姉の乙女の家から持ち出した(と「竜馬がゆく」ではなってるが・・)「陸奥守吉行(むつのかみよしゆき)」のエピソードだ。
こりゃ陸奥(東北の方だな)出身の刀工だが、晩年は土佐(高知県)に住んでいたらしくて、それで坂本家の伝家のカタナになってたんだろうな。
ちなみに京都の近江屋で暗殺されたときもこのカタナを差し料にしていた。
日本刀は美しい。持っているだけで心が落ち着く。
わがバイカー修家のカタナは室町時代後期の大和鍛冶の代表的門流、大和手掻派(やまとてがいは)の通称「末手掻(すえてがい)」と呼ばれるカタナなんだ。
刀身が太く、反り深くいかにも斬れそうなカタナだぞ。いつかコレを差して歩いてみたいもんだなー。
ちなみに龍馬が短いカタナを好んだのは、抜き打ちしやすいのと、室内で戦闘する際にやりやすいからだろうな。
「加州清光」みたいに長いカタナは室内では振り回せない。そういう実用性からきたんだと思うぞ。
カタナを知るだけでも、時代小説は楽しくなるんだから。

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