志村 喬

例えば、日暮れ時農家のアゼ道を一人で歩いていると考えてごらん、庭先にりんどうの花がこぼれるばかりに咲き乱れている農家の茶の間、灯りがあかあかとついて、父親と母親がいて、子供達がいて賑やかに夕飯を食べている。これが……これが本当の人間の生活というものじゃないかね、君。
-[1928-96] 兵庫県出身の俳優 志村 喬演ずる「男はつらいよ・寅次郎恋歌(第8作)」諏訪颷一郎(ひょういちろう)の言葉

今日は、久々営業さんと長崎県波佐見町っていう「はさみ焼」陶芸の町を年末挨拶訪問をした。
波佐見と「有田焼」で有名な佐賀県有田町は、県をまたいでいるとはいえとなりどうしの町なんだ。
この波佐見町、今日本を騒がせた「長崎キヤノン進出延期」の町なんだ。
県と町あげての誘致活動、その広大な工業団地の敷地はほぼ完成。
県も町もたいへんなおカネをつぎこんで、もう地元県下の高校生の就職内定も決まってる・・その矢先に「無期延期」。
もうテンヤワンヤの大騒ぎです。
それはさておき、地元の中小企業の社長さんは前向きでした。
話しをしていてバイカー修ちゃんが元気をいただきました。
営業さんと別れて帰りに、クルマをとめて一人で稲刈りの済んだ乾いた田んぼのあぜ道を歩きました。
寒い中、学校帰りの中学生が口までマフラーをまいて寒そうに自転車で通り過ぎる。
空は小雨で山は低い雲で山水画そのものだ。
こんな田舎の陶芸の里でも、夕方の明かりがついている家の横を通ったら・・・煮物の香りがした!
夕食の準備かあ、懐かしいなあ。
で今日の言葉は、この寅さんの義理の弟、博のお父さん(つまりさくらのお義父さんね)の颷一郎(ひょういちろう)が、ハンパな生き方している寅さんをさとすシーンの言葉なんだ。
こういうことを言わせると志村 喬さんという俳優は神がかり的な深みがあるよねえ。
昼間のドタバタキヤノン事件なんかどこふく風だ。この家の中の夕食の煮物の香りに幸せがある。
この家の家人がそれを自覚しているかどうかは知らないけどね。

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