尾熊 洋一

ホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキの技術者が100人集まっても、絶対「ハーレーダビッドソン」は出来ない。

ハンドリング?キャブレーション?とるとこない。

ブレーキ?ほとんど論外。エンジン性能?ゴクローサン。

冗談じゃないって、いいとこないですよ。

ところが・・「お金出してよかったな」と思わせる雰囲気があるんですよ。

エンジニアリング的に言うと、「振動モードが、人間の生理現象に一致」するんだね。
- [1942-] 埼玉県出身の元HRC副社長・元二輪WGPホンダチーム総監督 世界的エンジニア 尾熊 洋一が分析するハーレーダビッドソンについての1997年の発言-

バイカー修ちゃんはむかしむかし、ハーレーダビッドソンが大嫌いだった。
僕ら青春時代を70年代におくった「セブンティーズ」にとって、バイクはあこがれであり、ある人は「カワサキZ命!」だったり、ワイルド7の飛葉ちゃんよろしく、ホンダCB750だったりした。
バイカー修ちゃんは、イタリアのドカティとMVアグスタっていうカフェレーサーに憧れていた。
けっしてドンくさいハーレーダビッドソンではなかった。
それはもうすでに70年代から「過去のバイク」だった。
そのハーレーダビッドソンがいまや全世界のスタンダードなバイクになっているってのが驚きだ。
ちなみに大嫌いだったハーレーダビッドソンを僕のオヤジが突然、「死ぬまでに一回乗りたい!」って言いだしたので、当時持ってたカワサキZZ-R1100っていうローンが終わったばっかりのバイクを売って、このハーレーを泣く泣く買ったのでした。
ところが・・食わず嫌いの愚かさを知ってしまうハメになったんだ。
まさしく!このミスター・ホンダの尾熊さんの言うとおり!!どこも優れていないのに、こんなに楽しいバイクもないんですね。
心がおおらかになる。軽自動車のオバサンを抜かなくてもストレスがたまらない。燃費はいい。音が素晴らしい。
いまじゃ4台持ってるバイクでいちばん活躍しています。
こんなトコロに世界のパラダイムの変化がでるんだねえ。
つまり、数値や性能や価格っていう、「形式値」から、心地よい、好きだっていう「暗黙値」重視に世界が変わったんだ。
遅くてドンくさいとっつぁんバイクはいまや、世界一ワイルドな「鉄馬」となった。
ニッポンお得意の性能重視の「形式値」バイクも、エレガントでカッコよくなければならないというバイクに必須のお色気では、イタリア製バイクには勝てなくなった。
じゃあ、実用一点張りのヘビーデューティーなツーリングバイクは・・・質実剛健のドイツ製BMWにゃ勝てっこない。
「いいものをより安く」の思想も曲がり角だ。嗜好品であるバイクは、「お金だしてよかった~」と思わせる「暗黙値」が必要なんだ。
サラリーマンの原価主義とマーケティングという名の過去思考からは生まれにくいものなんだ。
尾熊さんはそれを言いたいんだと思うな。

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