「零戦」を通じて我が国の過去を顧みるとき、自らの有する武器が優秀なればなるほど、それを統御するより高い道義心と科学精神を必要とすることを教えているように思われる。

‐[1903-82] 群馬県出身の 三菱零式艦上戦闘機の設計主務者 堀越二郎の言葉‐

堀越二郎といえばあの「零戦」・・・いや「ゼロ戦」と言った方がわかりやすいだろう――を設計した人だ。一高を主席、そして東京帝国大学工学部を主席卒業という「超」天才だ。

「ゼロ戦」があまりにも優秀な戦闘機だったがゆえに後継機の開発も、パイロットの育成も不十分なまま悲惨な敗戦を迎えてしまった。

優秀でありすぎるのも後々困った問題を生む見本のような例だ。

「ゼロ戦」なんかまだいい、航空機の威力は現代も最強の兵器として、運輸手段として君臨している。

これが「戦艦」となると悲惨だ。

飛行機の威力が未知数だった第二次大戦開戦の頃、「ゼロ戦」という世界最強兵器をもつに至った日本ですら、この貧乏国家の年間予算の半分くらいを使って世界最大最強の超怒級戦艦「大和」を建造。

あろうことか二番艦「武蔵」まで造った。結局三番艦「信濃」(空母に改装)まで造ってしまった・・。まったく気が狂ったとしか思えない。

不沈艦、絶対に沈まない戦艦・・・それは日本の威光そのものだった。

それが開戦劈頭(へきとう)日本海軍航空隊は、英国の最新鋭の怒級戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」を航空攻撃で撃沈した。

これは人類史上初の、航空攻撃による戦艦の撃沈であった。

おいおい!これで戦艦が役に立たないことが証明されたんじゃないのか?!

世界はこれで方針を転換した。戦艦の時代は終わり飛行機の時代だと・・・・。

学ばないのはこれを証明した当の日本だけだった・・・。

貧乏国家日本は、国家の存亡をかけて、なけなしのカネをかけて造った「大和」や「武蔵」が役立たずだとは口が裂けても言えなかった・・。

「大和は不沈艦だ。絶対に沈まない」・・・沈むことはタブーとなった。

1943年になると、早々に連合軍に降伏したイタリアの最新鋭戦艦「ローマ」をドイツ空軍の航空機が人類史上初の「空対地誘導爆弾フリッツX」たった2発で撃沈してしまった。

1800人も乗った大戦艦をたった2発の誘導爆弾(こんなハイテク爆弾はドイツしかつくれなかった)で木っ端微塵にしてしまった。

あの花形だった戦艦は一夜にして「役立たずの鉄くず」になってしまったのだ。

それを世界に証明したのは日本だったのに、考えをあらためることができなかった。

そしていま、日本は「原子力発電所」を戦艦「大和」の二の舞にしようとしている。

日本は大金かけてつくった国内55基もの原発の息の根を自ら止めようとしている。

世界の原発も道連れに。

「戦艦」の後は「飛行機」という代替物があったからいい。

「原子力発電」の後を補えるエネルギーはないんだ。

「原発」がダメなら人類は今までのような「電気のむだづかい」はできなくなる。

24時間コンビニもだめ。ゲーセンも、ディズニーランドもアウトだ。

ライフスタイルそのものを変える必要に迫られるだろうと思うぞ。

「大和は沈まない」と言った以上、沈むことを考えた体制をとることができなくなった過去の日本。

「原発は安全だ」と言った以上、事故対策をとれなかった日本。

まったく変わらないじゃないか?

マスコミは、昔も今も「大本営発表」だ。

海外の原発報道と日本の報道にこんなに差があるのはなんでなの?

日本の国民は、日本のマスコミ報道をぜんぜん信用していない。

日本ってなんにも変わっていないんだってことが証明された原発事故であった。

「大本営発表!皇軍は連戦連勝!」ってラジオで言ってるあいだに原爆が投下されたんだ。

「放射線反応がありました。でも安全です!」って言ってるあいだに、原子炉から酸化ウランが漏れ出した。

こりゃいったいどういうことだ?

本当のことを言え!東京電力も総理大臣も政治家も大企業もみんな知ってるだろう!?

最悪の状態が近づいているって!

だれが責任をとって事実をのべるんだ?

バブル崩壊が第二の敗戦なら・・・原子炉崩壊は第三の敗戦だな。

そして、事実を報道できない国家の存続は・・・ないということを知るべきだ。

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コメント(4)

松さん、先日は楽しかったですよ!
今朝も家族で朝食の食卓で「唐津の玄海原発」の話題がでたんですよ!
松浦や平戸は30km圏内ですよね。そして長崎県内はアメリカ方式で言うと、80km圏内に入るわけですからオオゴトです!
国・・つまり官僚や政治家や大企業の方々はこのウソを知っていた。しかしながら、じつは国民もそのウソには気付いていたんです。
でも日本国民がこの繁栄と無駄遣いのドンチャン騒ぎに興じるためにそのウソを「見てみぬふり」をした・・・というところでしょう。
元寇、明治維新、太平洋戦争、バブル崩壊・・・つねに日本は「ガイアツ」によって覚醒させられた。
でも今回の「ガイアツ」は大自然だった。
よくできたモラルの高い被災国民とダメ政府とボケ企業という一見対比する事象は、じつは連動しているんですね。
「零戦」だって、要求性能を実現するためには「安全性」を犠牲にするしかなかった。
今の日本のシステムは「零戦」と同じ「脆弱性」という問題を抱えていることが明らかになったわけです。
日本人が「経済の時代」から質素な「文化の時代」へ移行できるかどうかの大きなマイルストーンとなるのはまちがいないでしょう。

dragononeさんおはようございます!
武田邦彦先生はいろいろ物議をかもしていますが、こと原発事故に関してはいちばんしっくりきますよね。
たしかに規模は違えど、わが社が巻きこまれた「耐震偽装事件」では本当に悩みました。
でも毎日何百人も泊まっていただくお客様のことを考えると「隠蔽」はできなかった。
東電も政府も状況は同じだと思うのです。
被爆国であるわが国が原発を設置したのも、乏しいエネルギー事情の中で、日本の工業力を維持し、繁栄を維持するために必要な電力エネルギーを安定供給するには「核エネルギー」しかないと判断してのことですよね。
ならばそれを国民にしっかり問い、非常事態のリスクも説明すべきですよね?
少なくとも、ドイツやアメリカはそうしてますよね。
「国民が納得しないから」ってのはあまりに国民をバカにしてると思います。
この国は戦後、「国を信じさせない政策」をとってきました。学校で国旗・国家を否定する国が世界のどこにあるでしょう?
「国を信じさせない政策」とイコール「国民を信用しない」ことに他なりません。
「安全である原発」が安全でなくなった今、この国の深い病巣があらわになるときなのでしょう。

ども!修さん 昨日は急にお邪魔しまして済みませんでした。

あっと言う間の2時間でしたねww 時計みてチョットビックリでした。

ところで原発ですが、松浦市民は人事じゃ無いんです、何せ30Km圏内入ってますからね 唐津の原発。

場所によっては10km圏内にも入っているし 昨晩別の集まりの中で避難勧告出たら何処行こう何て話題に上ってました。

火力は環境を少なからず汚すし燃料は有限、水力は環境を変える、風力さえ風切り音が耳障りとか言われる。
太陽光は面積辺りの容量小さすぎるし、バイオマスはまだまだこれから・・・

原発無くしたらいったい どうやって電気作るんでしょうか?
安全第一を掲げながら 実際はコスト優先で 都合の良い過去データを持ち出して作っていたことがバレタ原発・それに対して 情報を出せないのか 出さないのか 解らない人達。

先ずは5年は掛かると言われてる今回の事故処理を安全に早急に行ってもらうことが先決ですが・・

今回の事でひとたび事故が起これば 幾らコストダウンしてお金浮かせても そんな物一瞬で吹っ飛ぶ事が 解った以上 もっとちゃんとしたデータを元に計算し直し数値を発表した上で、 既存の施設も安全率の見直しを早急に行うべきでしょう。

そして 原発事故は起こる可能性が有るって事を前提に色々な仕組みや決め事をする必要がある。

話題には上ってませんが、同じ事が爆発した石油やガスコンビナートにも言えると思いませんか?
作る時、地震や天災に対してこれほど簡単に爆発するなんて 誰か言ってたでしょうか?

零戦設計者の様な 日本のトップ頭脳・・いや世界のトップ頭脳が集まれば 出来るはずです、政府がしっかり主導して・・・

こんばんは。
長らくROM専でしたが、初めてコメントさせていただきます。

原発の件ですが、事実を適切に伝えないことによって

・信用を棄損する
・一部の人々を見殺しにする
・事実隠蔽によって守られるモノより失われるモノの大きさに後になって気付く

ということがしばしば発生しますが、悲しいかな我が国のお家芸になっています。
原発問題に関しては、あくまで私見ながら、中部大学の武田邦彦教授の考え方がしっくりきます。
http://takedanet.com/

以前、姉歯の耐震偽装事件の際、修さん(とここでは呼ばせていただきます)のホテルに疑義がかかった際、速攻で検査機関に依頼され、その結果をもって安全宣言を出されましたよね?
そのことをお会いしたある会合にて「素早かったですね」と私が言ったとき、親指を立てて「イェィ!」とされたのを覚えています。

東電や保安院とは組織立ても規模ももちろん違いますが、国民が求めているのは、修さんがやったような「イェィ!」・・・というか、不安を払拭するべく必要な調査や対策を速やかに行い、事実を公表することではないでしょうか?
そこまで円滑にいかなくとも、事実は事実として良くも悪くもストレートに情報開示することでしょう。
今の状況はタチの悪いドラマのように、視聴者に先のストーリーがバレバレの感じです。

また、風評被害は「正確な情報が伝わらない」ことに起因しますので、東電・保安院及び政府が作り出しているようなものだと思っています。
危険告知によって発生する東電保証と政府保証の皮算用と、避難が必要な方々の受入先が用意できない裏返しとして、「すぐには影響はない」「屋内退避を求める」と言っているにすぎないと思います。

原発の必要性は否定しませんし、現状のエネルギー政策上重要なのでしょうが、不安定なものを不安定と正面から認識できずにリスク管理できないようでは先行きが厳しいですね。

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