トーマス・カーライル

人が何かをするには二つの理由がある。

「人聞きのよい理由」と「本当の理由」である。

‐[1795-1881] 英国の思想家・歴史家 トーマス・カーライルの言葉‐

この格言は大事だと思うぞ。

多くの政治家を見てごらん。

首相をはじめなぜかくも言葉が国民にとって「空言(そらごと)」にしか聞こえないのか?

「人聞きのよい言葉」の裏に浅はかな「本当の理由」が見え隠れするからである。

それに比べて天皇皇后両陛下のお言葉は本音で語られるがゆえに、お言葉そのものはありきたりな内容であっても心に響く。

僕が昔、アメリカに行った理由は「広い世界で見聞を広めるため」であった。

でもそれはカーライル流に言うと、「人聞きのよい理由」だったんだ。

「本当の理由」は、過去の自分という現実からの逃避と見栄だったって・・・今では素直に言える。

中学・高校とあまりできのよくなかった子どもだった僕は、いわゆる社会のドロップアウト組だった。

おまけに家庭裁判所のお世話になる始末。

当時、自分の人生はお先真っ暗だって思ったな。

でも母のことは大好きだった。誰がなんと言おうと僕とって最高の母だった。

優しい立派な母にとって、この出来の悪い息子はなんとも情けなかった。

そこで一念発起して、反対する母を押し切ってアメリカに留学した。

うちはお金がなかったので費用を捻出するため、バイトに明け暮れる毎日だったけど、それでも母には迷惑をかけたなあ。

優しい母だったけど、アメリカに行くことを告げたとき、はじめて母に厳しいことを言われた。

「ママはわかる。あなたはそんなに器の大きい男じゃない。

大それたことは考えない方がいい。甘やかして育てた自分のせいだと反省してる。」

ものすごくショックだった・・・。

しかし、今思えばこれは母が思っていたの「本当の理由」だったんだと思う。

本当なら一生、息子に言いたくなかった自分の本音・・。

僕は考えた。アメリカに行く本当の理由はなんなんだろう?

しかし結論はでなかったんだ。

今、息子も海外に行ってる。外国で高校生活を営み、そうとう苦労をしている。

やっぱり親子は似たような経験をするんだな。

息子よ、君が外国で学ぶ理由と動機はなんなんだろうか?

今、結論がでなくてもいい。でも結論を出そうと考えなければ今、なにをなすべきかはわからない。

僕はどうだろう?

今、会社を経営していく理由はなんなんだろう?

社員のため、お客様のため、社会のため・・。

「人聞きのよい理由」はいくらでも見つかる。

「本当の理由」はなんだろう?

みなさん、あなたが今を生きている・・・その「本当の理由」はなんですか?

「人聞きのよい理由」ではない、「本当の理由」はなんですか?

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コメント(2)

dragononeさんおはようございます。
辛い幼少時代をおくられたのですね・・・。
僕は親の仕事が水商売だったのでいわゆる「風評被害」によくあいました。
ぼくらからみると「普通の」昼間のお仕事の方からは「特殊な」世界に見られるんでしょうね、よく「あんな子と遊んじゃいけません」なんて見の前で言われてあぜんとしたことがあります。
みんななにがしかの心の傷をもっているんですよね。
dradononeさん、暴力を受けると暴力を憎むか、自分も暴力をふるうかのどちらかになるといいます。
当然dragononeさんは前者の方だと思うけど、人間は自分の受けた過去を肯定するか否定するかでこれからの未来を決めていくんだと思います。
僕らの子ども達は幸せにしてあげたいものですよね。

こんばんは。

私は幼少期からしばらくの間、貧困と暴力の中で生活していました。
「今を生きている本当の理由」とは少しズレていますが、昔の生活に戻りたくないという気持ちを強く持っています。
また、その昔は幼少期であるために自分の力ではどうすることもできなかった事柄が多いのに対し、現在は大人であるために自分で切り開くことが可能です。
(かといっても、現在は家庭を持っていますので、家族を路頭に迷わせられないという責任もありますが)

今を生きている本当の理由ですか・・・。

今の私は、昔の状況に対峙して気勢を張ることによってバランスを保っているのかもしれません。
それに加えて愛する家族を守りたいという直線的な気持ちと、それらを守ることができる衣食住を得られれば、それ以上の贅沢はいらないかと思っています。

ただ、何をもって贅沢というのか、何をもって普通というのかについては、各人各様の思いがあるところでもあります。

もう少し歳をとれば(良い歳の取り方をすれば)次のステップが見えてくるのかもしれないなぁと思ったりします。

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