エーリヒ・フロム

人間が生きていく中での主要な課題は「自己の創造」であり、「潜在的自己を顕在化」していく作業だ。

その最重要成果物は――「自身の人格」である。

‐[1900-80] ドイツ出身のユダヤ人社会心理学・精神分析・哲学者 エーリヒ・フロム『人間における自由』より‐

前回より続く http://www.q-bic.net/biker_blog/2012/12/post-2377.html

さて、前回は「幸福」になりたいと思うなら「幸福」の定義が必要だとお話ししたよね。

「幸福」がわからないのに、不幸もなにもあったものではない。

この「幸福」の定義が曖昧なまま、「それはおカネがあればいつか手にはいる」などと先送りにしてきたのがニッポンかもしれない。

家が買えれば「幸せ」かも、クルマがあれば幸せかも?

迷っているうちに、おカネも仕事も怪しくなった。こうなると国を信じてがんばってきたのに幸せになれなかったのは国や政治のせいになってしまう。

こういう風になんでも「他人のせい」にするわが国はじつは、北朝鮮と同じ「イデオロギー国家」だと言える。

日本人は一般論として、「自分で考えて行動」することに大変臆病だね。

農耕民族として、集団で行動できないと全体がうまくいかなくなるという状態が長かったんだろうな。

 

じつは、アジア人は中国や北朝鮮、韓国そして日本をはじめとして異質な国にみえるけど、じつは「思考を他人にゆだねるイデオロギー国家」という点では似ているといえる。

「潜在意識」の力は大きくて、前回話した「未来からの時間」の流れをキャッチするのがこの潜在意識の仕事だ。

なりたい自分が明確なら、その未来から流れてくる時間を潜在意識はキャッチできる。

でもこれが不明確ならば潜在意識はキャッチできない。なりたい自分がわからない人は不安でいっぱいだ。

そりゃそうだ。わけもわからず他人の考えで動いているのだから不安にもなる。

「不安になる」ということは、「予期せぬ悪い未来」を想像するってことだから、潜在意識は、その悪い未来を選択してしまう。

するとどんどん「ありえない不幸」が襲ってきて坂道を転落するってことだね。

でも・・・これが肝心なんだが、それも「自分の選択」だってこと。

 

では「あるべき未来」をどう想像したらいいんだろう?

そのいちばんいい方法は、「本を読む」ことに尽きると思う。

なぜか?

「文字」ってのは人間が発明した最大のものだ。

文字にはたくさんの暗黙知が込められている。

映像データや音声データは、動物でも判断できる原始的なものだ。

でも「文字」だけは人間しか判断できないものだよね。

この「文字」というものは、必ず目から入力して、頭の中で画像や音声に翻訳される。

その過程で、脳のシナプスが発達し、脳細胞が活性化する。

 

この段階になってはじめて、テレビなどの映像・音声データが意味をもつのであって、映像・音声データしか情報に頼ってこなかった人の頭では、「それ以上の価値」を見出すことができなくなってしまう。

日本人は本を読まなくなって久しく・・・昨今はくだらないテレビすら見なくなり、ますます劣化が激しくなっているという人もいる。

僕はあまりそう思っていないんだ。

いまは、メールやソーシャルなメディアが流行っていて、そこにあるのは圧倒的にテキスト情報だ。

あふれるテキスト情報におぼれながらも、覚醒している頭脳の幅は増えていると感じている。

覚醒した脳は、物事をロジカルに考えることができるようになる。

すると不思議と「本」を読みたくなるものなんだ。

 

ロジカルに考えることができるようになると、「なぜこれをやらねばならないのか?」を問うようになる。

すると、漠然と・・きわめてあいまいながらも未来を意識するようになる。

その未来をから流れる時間を意識すれば、それをつかめる確率も高くなる。

さあ、未来を意識しよう。

おそらく印刷された紙きれを兌換券(だかんけん)として使う・・・こんな子供だましみたいな社会もそう長くは続かない。

無形の価値を意識できるようになると、その価値がわかる人は、必然的にリッチになって、それが理解できない人はプアになるって社会が次の段階でくるだろう。

それが「文化の時代」だ。

「カネ」なる紙切れをもって右往左往する時代も末期的なんだよ。

 

などという未来を僕が想定いているんだからそうなるに決まってる。

少なくとも僕の未来はね。

こういう知識はネットでも手に入るけど、深めるには「本」という有機物に頼る必要がある。

おそらく、人間という有機物は、情報を伝達するのに有機物を介するっていう「パスワード」が必要なんじゃないかな?

ネットやテレビなどの無機物を媒体にすると、ある一定の浅さで理解が止まるような気がする。

みな本を読んで、理解を深めよう。

そして未来の時間を身体の中に入れるんだ。

世の中は確実に次の段階に進んでいるんだから。

 

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コメント(2)

ppさんおはようございます。
無形の価値を希求するのはモノの追究「経済の時代」を経ての人間が迎える「文化の時代」の表れかもしれませんね。
音に意味を感じ、三次元を二次元で表現する絵画なども人間の知の欲求なんでしょうね。

ブルックナーの力強さがお好きならワーグナーなども聴かれるのでしょうか。この技術性の爆発の「文化の時代」が次の民族高揚をうたいナショナリズムへと続き、また「政治の時代」へと進む。
近隣には、いまだ「経済の時代」への移行もままならない「政治の時代」の国々がひしめくだけに悩むところですね。

無形の価値が重要視されてきてますね
精神性、魂、芸術性など
抽象的なんですけど、世界中で進んできてますね

本を読むことは重要でしょう
さらに、それを音楽として表現すれば音の高低、音色、強弱 リズムによって同じ言語がより深みを増して理解出来るでしょう

音楽とリズムは魂のもっとも深いところに至る道を持っている(プラトン)ですね

宇宙の鼓動 ブルックナーの交響曲9番を思い出しました

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