フィリップ・コトラー

新しい戦略の一部分をまねすることと、その戦略全体を模倣することとは、まったく別問題である。

偉大な戦略というものは、容易にまねのできない多くの強力な活動をもとにした独自の組み合わせから構成されている。

-[1931-] 米国の経済学者 フィリップ・コトラー『コトラーの戦略的マーケティング』より-

今日から、日経新聞の「私の履歴書」をフィリップ・コトラーが書くことになり、大変興奮した。

久々の大物であり、いささかうんざりする日本の経済人や政治家先生の自慢話や、人情論から解放されおもしろいコラムが期待できると思うぞ。

今日のコトラーの言葉は大変深い話なんだ。

例えば、戦前の日本は欧米の戦略を模倣して、戦艦・空母・戦略戦闘機零戦をもつ世界有数の一大軍事国家になった。(この当時は軍事大国になるってのは、いまの経済大国になるってのと同じくらいあたりまえだった、念のため・・)

でも結果は空母や戦闘機ってハードは一流になったものの、それは「新しい戦略の一部分をまねした」だけだった。

日本は英国や米国のような、政治家や軍人はもちろん、経済学者や科学者などの知識人まで含んだ総合戦略をもつには到底いたらなかった。

科学的な根拠なしに軍事的戦略はたてられないし、経済的根拠なしには戦争すらできない。

 

こんなあたりまえのことを当時の日本はわかっていなかった。

あんな大戦争をいまだもって、誰が決定しどのように行ったのか?さえもあいまいだ。その反省すらあいまいだ。

過去を清算できない国が、秘密を発表しない法律をコントロールできるはずもない。

 

日本はじつは戦前と思考法はかわっていないと思う。いや・・・国って人格は簡単にはかわらないものなんだ。

ソ連がロシアになったって基本的な性格はあんまり変わっていない。

 

それは・・・中国だって同じだ。

経済学者は、「日本や米国、中国は密接な経済的交流があるので戦争はありえない」なんて言ってる。経済学者って本当に歴史にうとい人が多いからわかっていないんだ。

ナチスドイツはフランス・英国と密接な経済関係があったにもかかわらず戦争を繰り返した。

日本と米国は密接な経済関係があったにもかかわらず戦争をおこした。

つまり・・戦争ってのは経済・政治が密接にかかわっているからおこる究極の政治問題なんだ。

だから日本と中国がいつそのような状態になってもおかしくない状況になった・・と考えるべきだろうと思うぞ。

 

また、経済学者はすぐに戦争状態になると経済が悪化するってバカの一つ覚えみたいにテレビで言うけど、米国の軍産複合体は、「戦争はあらたなマーケットを生み出す」って考えてるから、景気が悪くなると、世界のあるところにカオスを生み出そうとする。

これに政治資金がからんでくるから、アメリカって国は常に暴力を必要とするシステムになっている。

国内に共産党崩壊の危機をかかえてる中国も、対外的危機をつくりだして国内世論をそらしたいと思ってる。

 

さて結論だけど、中国だって戦前日本と同じく、「新しい戦略の一部分をまねて」いるにすぎない。

空母を持ち、戦闘機を持ち、核兵器だってもっている。

でもこれもたんなるハードっていうおもちゃを持ったにすぎず、それもほとんどロシア製を国内でノックダウン生産した二流品。空母にいたってはウクライナのスクラップ品だ。

でも残念ながら近代中国は戦争に勝った経験もなければ、このような複雑な軍事システムを運用した経験もない。

日本の新幹線を「国産」って言い張った高速鉄道だってマトモに運営できないのに、海軍の運営をできるはずがない。

人間の歴史で、空母を手足のように運用できたのは、英国、米国、日本の三カ国しかないんだよ。

海軍ってのはカネもかかるが、ものすごく運用ノウハウと時間がかかるやっかいなシロモノなんだ。
空軍力だって、マトモにスクランブルもやったことがない中国が戦闘ができるのか?

ここでは書けないけど、しかるべき人から日本の航空戦闘能力はかなり高いと聞いている。 

 

中国は社会として残念ながら日本や西側諸国のように安定していない・・・どころか、かつてないくらい不安定な前世紀の遺物のような旧式帝国だ。

戦略全体を模倣できるような高度なレベルには至っていないと見るべきだろう。

軍人も政治家も「前世紀の発想」の時代遅れの集団だからね。

 

戦前の日本のように零戦や大和のような「純国産」するまでの技術的アプローチもなされていない。

おそらく人民解放軍ってのはマトモな戦闘経験もないから、強くはないだろう。

でも、テレビからは理解できない日米からの圧力を受けて中国だって恐慌な態度に出ざるをえないんだろうと思うぞ。

 

こういう状況だと、理性的な行動ができなくなるものだと過去の歴史は教えてくれる。

ここが大変危険なんだ。もう理性的じゃないんだ。

なにがおこってもおかしくないんだ。

 

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コメント(2)

松さん、いらっしゃい!
今年の3倍の仕事!!素晴らしいじゃないですか!\(~o~)/
隣の国ってのは、兄弟みたいなもんで、近ければ近いほどトラブルも増えるんですよね。

当社でも「戦争がおこるから」という理由で辞めて帰国した中国人社員がでたくらいです。
どうも、国が「戦争になるかも!」と言ったとき、

中国人は、戦争が始まる!と思い、
日本人は、まさか起きないだろう・・・

と考える傾向があるようですねえ。
うちのホテルも中国人のお客様はあいかわず多いです。
戦争がおきるかも・・・という緊張感は、われわれレベルでは薄いのが実情ですね。

修さんこんにちは、寒くなりましたね~
仕事関係では、優良企業の一部分も真似できないで零細のまま細々と言うか、ボソボソ仕事してます。

ただ、一昨年から時々行ってる中国の仕事、決して順調に行った訳じゃ無いんですが、上手く行かない物を何とかしようと出来るだけの努力をした結果?かどうか・・・

来年は、今年の約3倍の仕事をやる事に成って、来年は今年以上に中国行きが多くなりそうです。
手始めに来週行くことになってしまいました、好む好まざるに関係なく仕事となったら、「少々の政治不安なんか!」って思い行きますが、不安が大きくなるのは間違いないです。

自分はともかく連れて行く人の家族からそんな不安言われるとチョット考えてしまうんですよね。

どうなったら、関係が良好に傾くのか解りませんが、突発的な事故だけは起こらないよう祈るばかりです。

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