内田 樹(たつる)

「ネゴシエーションできない人」というのは、自説に確信を持っているから「譲らない」のではない。
自説を形成するに至った経緯を言うことができないので「譲れない」のである。
-[1950-] 東京都出身の神戸女学院大学教授 内田 樹2009年著『日本辺境論』p121Ⅱ辺境人の「学び」は効率がいいより-
いまバイカー修ちゃんが日本人の論客でもっとも鋭いと思わせる人の一人がこの内田樹さんです。
ちょうど、いま読書中の本が、内田樹さんと養老孟司さんの対談集『逆立ち日本論』でこれが大変おもしろい。

もう貴重な雨の日曜日をこの本を読むか、バイク磨きをするかで悩みに悩むほどおもしろい。
今日は、その内田樹さんのベストセラー『日本辺境論』から紹介しました。

みなさんの周りには「自説を曲げない頑固な人」っていませんか?
バイカー修ちゃんの周りにはいっぱいいるよ。
経営者にも学校の先生にも政治家にもいっぱいる。

この「頑固な人」には二種類いるんだね。深く深く思慮した結果、その考えに到達した人と・・・・、深く考えないで、他人の受け売りでその考えを「自分の考え」と思い込んでいる人だ。

当然、後者の人が圧倒的に多いわけだね。
見分ける方法は簡単だ。これから話すから実践してみるといいと思うぞ。
その見分け方はね、

「人の話をまったく聞かないで、上から目線で自分の意見だけ言う人」だ。
中高年のオジサンに多いでしょ?

これが不思議と、高学歴で立派な大学をでてる人に多くみられる点がおもしろい。
なぜだろう?
おそらく・・・優秀でまじめで親の言うことをよく聞いた子は、偏差値を上げるためにがむしゃらに勉強したに違いない。
その勉強は、「記憶すること」が全体の90%くらいのものだったろう。
その勉強には、「どのように:How」はあっても「なぜ:Why」はありえなかった。
ただただ記憶し、偉い先生の書いた本を信じて行うのみ!
数学や物理なんかは、それでもなんとかなるんだけど、歴史や公民、哲学はそうはいかない。
そもそも「哲学」なんて習いもしない。

そのような真に考えない、ただ頭の回転だけがいい歯車みたいな秀才を、「経済の時代」は要求したんだね。
しのごの言わずに、目の前の小さな仕事をさばいてくれればいい。そして大企業では、そういう人が出世していったんだ。そして、日本の大学はこんな人材をいまでも育てている。

ところが「文化の時代」に突入したいまは、こんな「How秀才」は使い物にならない。
いま、必要なのはどっかの本に書いてあったことをペラペラ記憶して話すやつなんか役にたたない。

いま必要とされているのは、深く考え・かつどんな意見にも「一定解」を見出せる「Why秀才」が必要なんだ。
このタイプが日本人には圧倒的に少ないと思うぞ。

海外留学や旅行は外国語を学ぶために行くんじゃない。
否が応でも、「自分で考え、自分で決める」能力がないと、この温室ニッポン以外では暮らせないことを身をもって知るからだね。
ボーイスカウト活動なんかはまさにこの実践にうってつけだ。

サバイバビリティを身につけ、外国のスカウトとも共同活動を強いられる。
これこそ「文化の時代」に辺境日本人が身につけるべき能力だと思うぞ。

私ごとで恐縮だけど、僕は子どもの頃から「変わり者」だと言われていた。
なんでも疑問符がついて、「なんで?どうして?」って聞いてばかりいて、うっとうしい子どもだった。
学校の勉強になんの興味ももてなくて、サボって映画や県立図書館に逃げこんでた。

同級生が、なんの疑問ももたずに点数のいい悪いに一喜一憂するのが理解できなかった。
僕はとうぜん・・・学校の落ちこぼれだった。

僕はいま、父や亡くなった母に感謝している。
「納得できなかったら、だれが何と言ってもやらなくていい」と言ってくれたことにだね。
僕の父は、高校のとき「バイクの免許を取らない・取らせない集会」のときに、ただ一人立ち上がって「16歳でバイクの免許をとっていいのだから、うちの息子には取らせる!」と発言して大騒動になったのを覚えてる。
「危険だからこそ、はやく乗せて慣れさせることこそ最良の方法だ」って言うんだね。

父の意見はいまでも、正論だと思う。
なんかトラブルがあったら安易に学校を訴えるという父兄の姿勢と、事なかれ主義の学校運営は、深層心理的には「無責任」という同じ原因を根っことする、歪んだ価値観に他ならない。

まさに、アメリカに行ったとき、むこうの高校ではクルマやバイクで先生も生徒も登校してたことにカルチャーショックを感じた。
先生も生徒も父兄も、「運転の危険性」を自分の責任のもとにどう教えるかってことから逃げてなかったからだ。

バカも多いけど「Why秀才」を育成するアメリカ。
バカは少ないけど考えない「How秀才」を量産するニッポン。

日本が「文化の時代」を生き抜くには、ここが大きな問題だろうな。






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