エマニュエル・トッド

人口学的には、男性の識字率が50%を超えると、その社会全体の不安定性が増して攻撃性を帯びる。
さらに何十年か遅れて女性の識字率が50%を超えると、やがて出生率が2付近まで低下して、社会全体が落ち着きを取り戻し、攻撃性・好戦性は有意に低下してくる。
-[1951-] フランスの人口学・歴史学・家族人類学者 エマニュエル・トッドが主張する「移行期危機」より-

おもしろい説ですよね。
このメカニズムはこうなんですね。

男性識字率が50%に達するということは、若者世代の大半は字が読めて、書物などから新たな知識体系の吸収が可能になり、自我に目覚めます。

しかし、まだ親の世代は大半が伝承によって伝統的知識体系に頼っている状況なんですね。
この結果、親子間の価値観に劇的な断絶が起きて、家族内での権威体系が崩壊します。

社会とは「家族の集積」であるので、結果社会全体の価値観や政治体制も不安定化します。
さらに遅れて、女性の識字率が50%を超えると、女性の知的水準が向上するだけでなく、家族内での地位も向上し、「できるだけ多く子どもを産む機械」としての役割を放棄し、出生率が下がります。

そうなると、平均して一家に1人程度の息子しかいなくなると、彼らが戦死した場合には家族はその負担に耐えられなくなるので、社会の好戦性は大きく低下し、過激さを失う結果となる。

さてみなさん、これを読むとなぜ「イスラム過激派」が女性に教育を受けさせず、虐げたままなのかわかりますよね。
イスラム過激派は、ヨーロッパ先進国をよく研究しているんですよ!
はい、今日はお勉強タイムでした。

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